結論:ぼくは、物理学に向いていないとわかった。
今日は暇だったので、大きい本屋さんに行ってきました。
話題の本コーナーには、ブルーバックスなどの一般の人向けの科学の本もズラリ
ヒッグス粒子やら、iPS細胞やら、以前(何年か前)よりも科学の本って増えていますよね。
そんな中でも目を引いたのがこの本
・内容紹介 (amazonより)
宇宙の根源に迫る壮大なストーリー
この宇宙に存在する「私」の起源に迫る
私たちは宇宙の塵からできているといわれています。じつは、宇宙が原子よりもっと小さくて熱かったころ、塵のもとになった物質と、その反物質が衝突しては消え、新しい物質と反物質が生まれては消えて……、そんなことを繰り返していました。
それがあるとき、宇宙の温度が少しだけ下がると同じ数だけあった物質と反物質のバランスが崩れ、ほんのわずかな反物質が物質に変わり、私たちが存在する物質だけの世界ができたお蔭で、私たちが生まれてきたというのです。その鍵を握っているのが、いままで質量がゼロだと思われていたニュートリノにあったのです。
・いったいニュートリノにどうして質量が生まれたのか?
・ニュートリノはどうしてこんなにたくさん宇宙に存在しているのか?
・なぜニュートリノには左巻きしか存在しないのか?
・右巻きニュートリノはどこへ消えたのか?
・ヒッグス粒子によってニュートリノはどうやって質量を得たのか?
・右巻きニュートリノがインフレーションを起こしたって本当?
・ヒッグス粒子は「顔なし」ってどういうこと?
これらの謎を解き明かしていくと、そこには思いもよらない結末が……。
最新の素粒子理論を駆使して、最新の宇宙像に迫る、村山先生の最新作!
スラスラといっきに読めて、しかも読み終わったあと、
宇宙の見方がぜったいに変わります。
ぼくが、高校生の頃この本を見つけていたらきっと飛びついていたと思います。
「なぜ、我々が存在するのか」
その答えが見つけられそうな期待も持って物理学科を選んだことも確かです。
ちらっと中身も見ました。
大学院生のぼくでも、ちょっと気合を入れて読まなきゃいけないな。という感じでした。(あんまりまじめに勉強していないからなんですが…)
ぼくは、自分が心の底から面白いと思えるものしか、面白いなと思わないようにしています。
最近までは、そんなに面白いと思えないと思う本や人の話でも無理やり自分を言い聞かせて、最後まで読み進めたり、話を聞いたりしていました。インターネットの記事とか、大学の講義とかいろいろ。まあ、やったほうが良いことだし、それも合理的なのかとも思いますが
たとえつまらないモノでも、面白いと思って聞く。というのは、朝礼で校長先生の話を静かに聞く、という儀式で植え付けられた習慣なんじゃないかと思います。授業でも、本当に面白い先生はすごく夢中になれるんです。(そう思えたのは、お金を払って受けた代ゼミ講師の授業だけでしたが)でも、”面白い”と無理やり思わないと、授業なんて受けてらんない。なにより、『意欲・関心・態度』の欄には”C”が付けられてしまう。
ぼくは、この人生を損させるスタンスから抜け出せて本当に良かったと思っています。
...少し脱線してしまいましたが、言いたいことは、
ぼくはこの本を面白そうだとは思えなかった。ということです。
薄々気づいてはいましたが、そもそもぼくは物理学には向いていないんだと思います。
学会発表などの場で、教授や活躍している若手研究者とかを見ると、あそこまで物理は好きになれない..と思ってしまいます。
5年間も勉強してきて、やっとわかったことです。なにしてんだよ、という感じですが向いていないということが分かっただけで価値はあったと思います。
この本を手にとって、ニュートリノの謎とかが書かれていても全然興奮しません。
その代わり、今ぼくが本当に面白いと思えているものがあります。
- 作者: グレゴリー・デイヴィッドロバーツ,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 374回
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この小説です。
ちなみに今、面白いと思えているものはいろいろあるんですが
ちきりんさんのブログ(ツイートも)には、特にお世話になっています。それをきっかけに見つけたデマこいてんじゃねえ!もいつも楽しみに読ませてもらっています。はてなブログを始めたのも、こんな二人といっしょのサービスで自分の考えを書いてみたいと思ったのが理由です。その上、このお二人のファンのかたのブログもすごく素敵なものが多いので、これらを頼りにどんどん開拓しています。
Rootportさんのブログも面白いので、この記事を見つけた時、即購入した小説がこれです。(普段は一切小説を読みませんが)
すぐれた物語には、人生を変える力がある。/小説『シャンタラム』紹介 - デマこいてんじゃねえ!
何かをオススメする文章力などは到底ないのでこの記事を読んでもらうのが一番だと思います。
ひとつ言えることは
ぼくは「宇宙になぜ我々が存在するのか」よりもこの物語をおすすめしたいということです。
ぼくが大学で学びたかったことは、まさにこの物語から学べることだったのかもしれない。。。大げさかもしれませんがそう思ってしまいます。物理学を学んだ上で読めたからこそ、この物語を楽しめたというのもあるのかもしれませんが..
本当に物理学が好きなひとなら、もちろんブルーバックスをおすすめします。
けど、ぼくは違ったみたいです。この小説、面白いです。
※ちなみに、ぼくはスピリチュアルのたぐいはあまり好きではありません。