なんでこんなことしているのか
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前回のエントリまでで、「インターネットがなんですごいのか」なんてことを考えてきたわけですが、
一応、自分の持っている知識と論理で、自分のアタマで考えたつもりです。
ほんとにちきりんさんのいう自分のアタマで考えられたかというと不安ですが。
とりあえず、誰かが考えた答えは一切見ていません。
自分で絞り出した答えが、たとえ幼稚でバカらしかったとしても
自分の考えていることをコトバにする訓練にもなったし、
自分のモヤモヤと考えていることをスッキリさせることもできました。
なにより、考えることはすごく面白かったです。
2月まで行なっていた卒業研究がきっかけで、自分のアタマで考える面白さに気づきました。
卒業研究は、教授に「ニュートンの万有引力の法則を検証しなさい」とだけ言われ、あとは好きにやって良いという感じでした。
大学3年まで行なっていた学生実験は、ある課題が出され、それに対し結果を出すのですが
実験の手順はあらかじめ決められていて、教科書通りに行えば結果が出るというものでした。
また、レポート課題の中で考察すべき問題があっても、その答えを教授はもちろん知っていて
さらに、先輩に聞いたり、googleで調べれば答えは簡単に見つかってしまうものでした。
ぼくは今までの実験レポートのすべて” 答え” を先にみて、ほとんど書き写していました。
卒業研究も、googleで探せば答えが見つかるかと思い探してみたのですが、
なにせ誰もやったことのない実験であったので、最適な手順や問題の解決方法も見つかりません。
おそらく人生で初めて、その”答え(最適な実験方法)”を”誰も知らない” 問題に取り組んだのだと思います。
大学受験の問題は絶対に参考書が答えを知っている。大学の授業のレポートも教授は絶対に答えを知っている。
しかし、ぼくの卒業研究のテーマはまだ世界中の誰も行なっていないもので、その答えを知っている人はいません。(教授にとっても初めての実験であるため教授も答えを知りません)
これにすごくワクワクしました。
誰も知らないことを自分がやっているという今まで味わったことのない感覚。
全然、大それた実験ではないんです。全く!
成功したとしても、物理学に貢献できるような実験ではありません。
でも、まだ誰もやったことがなくてその答えを知らない。ということにワクワクしました。
いつも先に答えを見ていたのですが、今回は見ようと思っても見ることができない。
そんな状況だったからこそ、自分で実験方法を考える必要がありました。
実験内容については深く触れませんが、この卒業研究をきっかけに”答えを見ずに自分で考えること”の面白さに気づきました。
そもそも、
うちの研究室で行なっている研究はまだ地球上の誰も分からない謎を解明するために行なっていて
社会へ出た後も、ビジネスの世界ではみんなが答えを知っているようなことでは、成功しないんじゃないか
そんなことに気づき、”自分のアタマで考える”ということの重大さに気が付きました。
まあ、ちきりんさんの本の言う通りなのですが、大学での研究を通して本当にそれを実感することが出来ました。
「なんでこんなことをしているか」ですが
”自分のアタマで考える”ことは大切だから訓練しよう。ということが一つ
”自分のアタマで考える”ことは面白いからいろいろ考えよう。ということがもう一つの理由です。
この本を紹介してくれた人生の先輩に感謝です。